事業実施年度 | H31(2019) |
---|---|
担当窓口 |
企画課 |
事業名 | 甲山地区拠点施設整備事業(H31) |
事業概要 |
甲山自治センターとなる旧甲山保健福祉センターは、13自治センターのうち最大の延べ床面積を有する施設で、本町の町有施設の中でも大規模な施設である。建築から23年を経過し、時代の変遷とともに人口減少・少子高齢化が進展し、町民のニーズも変化する中、本町では令和2年度からこの施設の位置づけを保健福祉センターから自治センターに変更して、これまでの機能(保健福祉施設・社会福祉協議会・デイサービスセンター)に加え地域の拠点施設(集会所機能)を追加する計画としている。人口減少等に対応した施設の集約化・複合化をより一層進める本町のコンパクトシティモデルであり、重点施策である。こうしたことから、その設備改修は温室効果ガス削減効果のみならず、同種の他の12自治センターや町有施設への波及効果が見込めるだけでなく、地域の拠点施設として地域住民への高い波及効果も見込める。
設備導入施設:甲山自治センター
年間CO2削減効果(見込み): 109.5t-CO2(内、運用改善7.8t-CO2) 総事業費:120百万円 補助金額:80百万円 完成年月:令和2年2月 (事業期間 令和元年7月~令和2年2月) |
事業の先進性・モデル性 | 甲山地区拠点施設整備事業は2施設の統合集約により、甲山地区のコンパクトシティ化を図り、遊休施設の利用率を向上させながら、省エネルギー化により維持管理コストを半減させる計画で、遊休施設の活用事例として高い先進性・モデル性を有している。 照明機器については、照度調査を行い、壁材等も反射率の高いクロスなどを使用することで整備する照明機器のダウンサイジングを図るとともに、各部屋を4つの区分に分類し、人感センサーや調光機能のあるあかり人感センサーなどを組み合わせることで、省エネ効果の最大化を図る。空調機器については、施設の今後の使用方法の変更を踏まえ、個別運転可能な機器に刷新することで省エネ化する。部屋の広さに応じた適正な能力の空調機器の整備はもちろん、EMSによる温湿度、スケジュール、デマンド、逼迫状況により、空調機器の運転の効率化とデマンドの過大なピークをカットするよう制御する。特に湿度まで計測して制御することで、より室内環境の実態に即した制御が期待できる。加えて、EMSは外気温湿度を測定し換気扇と連動することで、中間期の外気導入や冷房使用期のナイトパージを行うシステムを既存設備の最大利用により構築している。給湯器については、設備の大規模なダウンサイジングを図るとともに、ヒートポンプの機器構成を、給湯用、再加熱用、循環用再加熱の3層構造とすることで、機器の効率化、省エネ化を図る。管路循環についても、循環ポンプを整備してスケジュール制御等を行える仕組みとし、システム全体で省エネ構造とする。 |
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況 | |
本町では地球温暖化対策実行計画並びにエコアクション21を全庁的な取り組みの中で円滑に実施するとともに、施策の推進並びに達成状況の評価及び点検を行うことを目的として、世羅町役場エコ委員会を設置しており、この体制により推進する。本町はエコアクション21を認証取得しており、毎年度その達成状況について外部監査委員による監査を受ける中で、カーボン・マネジメントの進捗状況や運用管理面等の改善に役立てる。 |
|
カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績 | |
本事業の効果・ノウハウはエコ委員会に集約し、区域施策編の推進組織“脱温暖化プロジェクトせら”のセミナーやフォーラム、白書などを通じて民間事業者等への普及に役立てる。また、本町は、広島県合併五町連絡協議会や備後圏域連携中枢都市圏、広島広域都市圏に属しており、総会や首長会議、関係課会議などの際に本町の取組を積極的に発信することで、広島県内のみならず岡山県、山口県の自治体へも波及させていく。 |
H31年度
設備導入施設 | |
---|---|
施設名 | 甲山自治センター【庁舎関係】 |
施設写真 |
|
主な導入設備等 |
照明機器の更新【照明】 この改修にあたっては、照度測定結果と照度計算結果を踏まえて検討し、配置の検討が必要な部屋については照度分布図も踏まえて検討を行った。特に今回施設の集約化に伴い、一部の部屋については区画を変更するため、本事業にあわせて天井の撤去を行うが、そうした部屋については照明機器の配置から見直して必要な照度を確保しつつダウンサイジングを図る一方、既存の区画を利用する部屋については工事費の節減のため照明機器の配置変更は行わず、基準の照度範囲を超過すると見込まれる部分については、単なる同等品への更新ではなく、既存のものより照度が低い照明機器を整備することで、ダウンサイジングを図った。 空調機器の更新【空調】 高効率のビル用マルチエアコン等に更新した。整備にあたっては、既存の吸収式冷温水器の能力にとらわれず、各部屋のファンコイルの能力を基準としつつ、現在のまま利用する部屋、新たに整備する部屋等の広さに応じて、空調機器、能力を決定し、機器のダウンサイジングを図った。この整備により各部屋での個別の運転が可能となり、一般利用者のみでの運転も可能となるとともに、部屋の利用に応じた空調機器の運転が期待できることから、特に研修室1部屋のみなどの場合、これまでの吸収式冷温水器と比べてより省エネ化が期待できる。 エネルギー管理システム(EMS)の導入【EMS】 EMSでは基本的には空調を制御対象とするものの、あわせて、甲山自治センター及び世羅町社会福祉協議会事務所の高効率LED照明を制御できるようにした。これらの部屋は基本的に常時人が滞在するため他の部屋と比べて点灯時間は長く、基本的に常時点灯している。このため、デマンドが過大となりそうなときには制御することで省エネ効果が見込める。 給湯器の更新【熱源】 現在のボイラー設備は老朽化し修繕等が多いこと、今後の使用形態からすると設備が過剰になること、基本的に灯油から電気への燃料転換を図る方針であること、一方で即湯性を確保する必要があることなどを踏まえ、今後の使用形態に応じた規模の電気式のヒートポンプに更新することとした。具体的には、現在の浴槽、カランなどの設備及び使用人員、使用時間などの使用実態を詳細に調査して、必要な給湯量の計算を行い、その必要な給湯量に応じたヒートポンプの機種を選定することで、ダウンサイジングを図った。 |