松前町温暖化防止計画達成のための省エネ改修事業(愛媛県松前町)

愛媛県松前町

事業実施年度 H31(2019) 
担当窓口

保健福祉部町民課

事業名 松前町温暖化防止計画達成のための省エネ改修事業(H31-R2)
事業概要

事務事業編で省エネ改修を記載している施設のうち、CO2排出量が多い3施設の省エネ更新を行います。これらの施設では、照明をLED、空調を部分負荷効率の高いエアコンへ更新します。単なる老朽化による設備の更新ではなく、設備容量の最適化や人感センサ、照度センサの活用、風呂のふたの活用等の運用改善により、大幅なCO2削減を目指しています。また、クラウドBEMSを導入し、町民課が施設を横断してCO2排出量管理をリアルタイムで行える体制を構築して確実なCO2削減が可能な体制を整備します。

設備導入施設:松前公園体育館、松前町総合福祉センター、松前総合文化センター
年間CO2削減効果(見込み):
240.0t-CO2(内、運用改善10.0t-CO2
総事業費:242百万円
補助金額:105百万円
完成年月:令和3年1月
(事業期間 令和元年10月~令和3年1月)
※記載されている数値は、複数年の計画値となります。

松前町役場

事業の先進性・モデル性 本事業の先進性としては、高効率設備の導入は当然のこととして、その他に空調負荷削減によるダウンサイジングや、様々なセンサ(温度、人感、照度)の活用による運用面での大幅な省エネを図っていることになる。
本事業のモデル性としては、クラウド型BEMS、取り組みチェックシート、カーボン・マネジメント支援ツールを用いて、本事業の設備運用体制を、当町のカーボン・マネジメント体制に組み込み、施設管理する指定管理事業者、施設の担当課、本事業の取りまとめを行う町民課、松前町地球温暖化防止計画推進本部が連携して、確実なCO2削減目標達成を図る点にある。
クラウド型BEMSの特徴は、インターネットを通して、遠隔で使用量管理ができる点である。本特長を活かして、指定管理事業者が日常的に使用量の管理を行い、更に各施設の担当課が、定期的に使用量の確認をし、使用量が目標値を超過した場合に指定管理事業者に運用体制の確認を行う。カーボン・マネジメント推進体制等と施設管理者の連携にBEMSを活用することで、スムーズな連携を図ります。当町の町民課は、本事業で実施する3施設全体の使用量を管理し、本事業の確実な達成を図る。
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況

松前町カーボン・マネジメントの推進体制は、松前町地球温暖化防止計画推進本部が方針を定め、外部委員からなる環境審議会が内容を評価し、行動計画は、事務局より推進委員を通じて全職員に伝達し、取り組んでいくよう啓発・指示を行う。
推進委員は、エネルギー使用量は、「カーボン・マネジメント支援ツール」、運用は「取り組みチェックシート」を用いて、報告・点検・評価を行う。本カーボン・マネジメント体制で特徴的な点は、支援ツールと取り組みチェックシートを用いて、当町の施設のエネルギー使用量と省エネ運用状況を細かく定期的に確認することで、CO2削減を確実に達成するPDCAを実行する点にある。

カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績

松山圏域連携中枢都市圏連携事業での地球温暖化対策の推進を目的に圏域内で実施するまつやま環境フェアや、まさき文化祭で、ブース出展を行い、本事業による省エネ改修内容の展示、効果やノウハウの発表を行う。松山圏域連携中枢都市圏の自治体に、当町の経験、ノウハウを伝えることで、周辺自治体と一体となった地球温暖化対策の推進を行う。

設備導入施設
施設名 松前公園体育館【スポーツ関係】
施設写真

主な導入設備等

照明のLED化【照明】

点灯時間の最適化のために、トイレは人感センサ連動の照明を導入した。事務室には、無線による個別照明の調光可能な設備を導入し、外光による調光の他にも、初期照度補正や、部屋の利用状況が変わった際の、部分消灯を可能とした。体育館アリーナには、調光可能な高天井用LEDを導入し、照度センサで、床面の明るさを一定にするように調光する事とした。照度センサや無線による個別照明調光は、最新技術であり、これらを運用し、他体育館や事務所への横展開のためのノウハウの蓄積を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前102.3t-CO2/年 ⇒ 更新後35.9t-CO2/年 削減率64.9%

LED照明 設置状況

LED照明 設置状況

LED照明 設置状況

空調の更新【空調】

空調は、初めに空調負荷削減、次いで高効率設備の導入を検討した。外気量の削減による空調負荷削減のために、ダクトで連結され常時稼働しているトイレの換気を人感センサによる個別管理に変更した。また、一部換気は雑ガスセンサを取り付け、空気質の問題に対応した。可能な限り全熱交換換気扇を導入し、外気負荷を削減するとともに、空調最大能力のダウンサイジングを図っている。稼働時間を適正化するため、人数が変動する廊下は人感センサを取り付けた空調機を導入した。

・省エネ効果(計画)

 更新前21.2t-CO2/年 ⇒ 更新後10.1t-CO2/年 削減率52.2%

空調室外機 設置状況

空調室内機 設置状況

空調室内機 設置状況

BEMSの利用【EMS】

BEMSは、従来のようなデマンドコントローラーではなく、エネルギー使用量を詳細に計測し、使用量目標と現状使用量の比較を行い、インターネットを通して、複数の部署で使用量を管理できるようにすることで、目標達成管理のツールとして用いることとした。

・省エネ効果(計画)

 更新前9.7t-CO2/年 ⇒ 更新後9.4t-CO2/年 削減率3.3%

BEMS設備 設置状況

BEMS設備 設置状況

BEMS設備 設置状況