世田谷区立大蔵第二運動場ESCO改修(東京都世田谷区)

東京都世田谷区

事業実施年度 H28(2016) 
担当窓口

施設営繕担当部公共施設マネジメント推進課

事業名 世田谷区立大蔵第二運動場ESCO改修(「クラウドBEMS」を活用したスポーツ施設のCO2削減事業)(H28)
事業概要

世田谷区は、事務事業編に定める目標の実現のための一つの手法として、ESCO事業の導入を進めている。平成27年度本施設を対象に、ギャランティードESCO方式での公募を実施し、ESCO事業者の提案により、施設内CO2排出量の削減のみならず、クラウドBEMSを活用したエネルギー管理体制の構築・強化を実施し、持続的な省エネルギーを実現する。本事業の取組を区独自の環境マネジメントシステムを通じて評価し、本事業にて得た知見を共有することで、地球温暖化対策計画に遜色ない事務事業編への改訂に役立てる。

設備導入施設:スポーツ施設
年間CO2削減効果(見込み):187.1 t-CO2
総事業費:218百万円
補助金額:58百万円
完成年月:平成29年2月
(事業期間 平成28年9月~平成29年2月)

世田谷区役所

事業の先進性・モデル性 先進性として、「クラウドBEMS」によるリアルタイムエネルギーデータ共有を用いた各設備の運転の最適化や器具単位で調光可能な「無線調光照明システム」によるきめ細やかな運用が挙げられる。これは単純な設備更新による設備高効率化から一歩踏み込んだ、区施設で前例のない取組である。本施設は2020年開催の東京オリンピックにてアメリカ合衆国のキャンプ予定地となっており、区内外から一層注目される。本施設にて最新鋭の技術を導入し、獲得する知見を他の自治体へ公開・共有することで高い波及効果が期待でき、省エネルギー手法として新たなモデルケースとなる。
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況

事務事業編の推進体制として、ISO14001の成果を踏まえ、対象を拡大した区独自の環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」において、課・出先職場を含めた全庁的な推進体制が構築されている。この推進体制における取組みの中で、本事業の成果の公表を通じて、全庁一体となってカーボン・マネジメント体制をより強固にしている。

カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績

本事業にて導入されるクラウドBEMSにより、当該施設の運用改善や設備の効率化を図り、そのエネルギー管理体制や省エネルギーの取組内容を、環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」において全庁的に共有し、全職員でPDCAに取り組む。また、区ホームページにクラウドBEMSに関する資料を掲載し、これまでのESCOに関する全国の自治体からの問い合わせに対し、こうした新たな手法についても積極的に紹介している。

設備導入施設
施設名 世田谷区立大蔵第二運動場【スポーツ関係】
施設写真

主な導入設備等

空調設備改修【空調】

既存機種は現行機種と比較して、エネルギー効率の低い設備となっている。そこで、高効率空調設備へと更新することで、省エネルギーを実現する。また、BEMS装置とも接続し、BEMS機能による省エネ制御機能を付加することで、最適な運転を実施することにより、更なる省エネルギーを実現する。

・省エネ効果(計画)

 更新前228.2t-CO2/年 ⇒ 更新後157.0t-CO2/年 削減率28.1%

空調室外機設置状況

空調室外機設置状況

空調室内機設置状況

高効率トランスへの更新【その他】

既設受変電設備のトランスに対して第二次トップランナー基準を満足した高効率トランスへ更新し、トランス損失を低減することにより省エネルギーを実現する。また、トランスの系統を一部統合し、トランス台数を低減することで総設備容量をダウンサイジング化し、更なる省エネルギーを実現する。

・省エネ効果(計画)

 更新前13.4t-CO2/年 ⇒ 更新後5.8t-CO2/年 削減率51.0%

電気室 盤全景

トランス設置状況

LED照明器具への更新【照明】

既設一般照明設備および誘導灯における従来型器具をLED化する。 さらに、器具単位の照度調整や昼光利用による調光制御、タブレット端末による無線操作が可能な調光システムを導入することで、更なる省エネルギー効果の実現および利便性向上を実現する。

・省エネ効果(計画)

更新前177.0t-CO2/年 ⇒ 更新後52.1t-CO2/年 削減率63.5%

LED照明

LED照明

LED照明

BEMS装置導入【EMS】

BEMS装置を導入し、設備の集中管理を可能にするとともに、BEMS 機能による最適運転を実現する。また、BEMSメーカーのクラウドBEMSサービスを活用することで、エネルギーの可視化、データの蓄積・分析・評価することでエネルギー管理体制をより強固なものとし、そこで得た知見を他施設へと展開し、区のカーボン・マネジメント体制の強化を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前209.0t-CO2/年 ⇒ 更新後204.8t-CO2/年 削減率1.8%

BEMS装置設置状況

電気盤改造