香南市4施設ESCO事業(高知県香南市)

高知県香南市

事業実施年度 H29(2017) 
担当窓口

環境対策課

事業名 香南市4施設ESCO事業(H29)
事業概要

本計画で改修を実施する4施設で発生するCO2は本市の事務・事業活動で発生するCO2(2014年基準)の5.4%を占めている。その施設で使用するエネルギーの68%を占める空調設備および照明設備を高効率なものに更新するとともに、BEMSを導入しネットワークで4施設を一元的に管理することでシステム全体の効率改善に取り組み、大きくCO2排出削減を図る。BEMSで取集したデータを活用し、PDCAサイクルで更なる運用改善を行い長期間にわたり高効率な運用を行う。残る施設についても同様の効率化を2030年度までに完了することで、2030年度までの目標削減量の19%を削減する本取り組みは重要な柱である。

設備導入施設:中央公民館ほか3施設
年間CO2削減効果(見込み):
81.8t-CO2(内、運用改善1.1t-CO2
総事業費:217百万円
補助金額:121百万円
完成年月:平成30年1月
(事業期間 平成29年9月~平成30年2月)

香南市役所

事業の先進性・モデル性 ・照明設備については、昼光センサーによる照度調整を行い入射光の有効活用を図る。
また、照度基準に沿った初期照度補正を行う。
・個別空調については、空調負荷を見直しダウンサイジングを実施し省エネ化と導入コストの削減を図る。
・セントラル空調については、高効率熱源の採用、冷温水温度の適正化、ポンプのインバータ化を行いシステム効率の向上を図った。
・対象4施設にBEMSを導入し、スケジュール機能、設定温度制限機能等による自動制御でCO2削減を図る。
また、全国的に事例の少ないネットワーク化モデルとして、既設ネットワークを利用したBEMSのネットワーク化を行い、エネルギーの使用量、システム効率を一括管理する。モデル運用としては、BEMSによるエネルギーの予実管理、設備の運用管理、管理点データ出力機能を自動で行い、管理業務のスピードアップと省力化を図りつつ、エネルギーコストの削減、CO2排出量を極限まで減らすモデルを構築する。
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況

「第2次香南市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」の推進にあたり、副市長を委員長とした「庁舎省エネ委員会」を基軸組織とし、実際の運営や啓発活動、職員からの改善案及び意見のとりまとめについては、各部署から選定された作業委員で構成される「省エネ推進連絡会」を通じて行う。
また、事務局を環境対策課とし、省エネ推進連絡会からの情報は庁舎省エネ委員会に集約され、一元的に管理・対応する。

カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績

県内地方公共団体で初の取組となるギャランティード型ESCO事業であり、エネルギー消費量の多い施設を対象に設備更新及びBEMSの導入を行い、対象施設と本庁舎をネットワーク接続することによりエネルギーの中央一元管理を実現する。
このノウハウは県内地方公共団体エネルギー担当部署が集まる会議にて先進モデルとして本事業の紹介を行い事業の波及効果を生み出す。また、平成30年度の香南市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の改定に伴い、本事業を市が行う重点的な率先行動に位置づけて市民及び事業者に向けても広く周知する。

設備導入施設
施設名 野市中央公民館【文化関係】
施設写真

主な導入設備等

空調更新【空調】

ビル用マルチエアコンの更新に当たり高効率機種への更新は元より空調負荷の見直しによるダウンサイジングを実施することにより大幅なCO2削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前36.2t-CO2/年 ⇒ 更新後29.3t-CO2/年 削減率19.1%

ビル用マルチ室外機

空調室内機

空調室内機

熱源更新【熱源】

吸収式冷温水発生機を高効率タイプに更新するとともに季節、時間による負荷変動に対して現在は3方弁制御で冷温水をバイパスで逃がし、搬送動力を一定で運転しているが更新後は2方弁制御及び冷温水ポンプをインバータ化することで負荷追従による大幅な搬送動力削減を図る。そのことにより熱源のシステムCOPの向上も図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前23.3t-CO2/年 ⇒ 更新後20.2t-CO2/年 削減率13.3%

吸収式冷温水発生機

冷温水ポンプ

冷却塔

照明更新【照明】

高効率機器の採用によるLED化を図るとともに、昼光センサーを導入し窓からの入射光の状況に合わせ照度を調整するシステムを採用し、照明消費電力の削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前57.1t-CO2/年 ⇒ 更新後23.7t-CO2/年 削減率58.5%

LED照明

LED照明

LED照明

BEMSの導入【EMS】

スケジュール機能(運用の効率化、消し忘れ防止による省エネ)、設定温度制限機能(空調機設定温度の上限下限を設定することによる省エネ)等による自動制御でCO2削減を図る。

既設ネットワークを利用したBEMSのネットワーク化を行い、エネルギーの使用量、システム効率を一括管理する。モデル運用としては、BEMSによるエネルギーの予実管理(BEMSよりエネルギー消費の目標値を設定し、実際の消費量をグラフ表示して予実のズレを見える化、今後の消費予測目標値を示し、その差を見える化、同時に今後の補正目標を見える化)、設備の運用管理(過剰な冷暖房の抽出、消し忘れの抽出)、管理点データ出力機能(各機器の設定温度、運転状態、運転時間)を自動で行い、管理業務のスピードアップと省力化を図りつつ、CO2排出量を極限まで減らすモデルを構築する。

・省エネ効果(計画)

 更新前52.0t-CO2/年 ⇒ 更新後48.5t-CO2/年 削減率6.7%

EMSモニター

空調機計測盤

設備導入施設
施設名 野市図書館【文化関係】
施設写真

主な導入設備等

空調更新【空調】

資料収蔵庫は美術品の保管などの為、空調稼働時間は長く高効率なパッケージエアコンに更新することで省エネを図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前1.5t-CO2/年 ⇒ 更新後1.3t-CO2/年 削減率13.3%

パッケージエアコン室内機

空調用リモコン

パッケージエアコン室外機

ポンプのインバータ化【熱源】

図書館という事で曜日、時間により入館者からの負荷変動が大きく冷温水ポンプをインバータ化することで負荷変動に追従し搬送動力の低減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前4.3t-CO2/年 ⇒ 更新後1.7t-CO2/年 削減率60.5%

冷温水ポンプ

熱源動力盤(INV)

照明のLED化【照明】

高効率機器の採用によるLED化を図るとともに、昼光センサーを導入し窓からの入射光の状況に合わせ照度を調整するシステムを採用し、照明消費電力の削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前13.3t-CO2/年 ⇒ 更新後7.5t-CO2/年 削減率43.6%

LED照明

LED照明

LED照明

BEMSの導入【EMS】

空冷ヒートポンプチラーに対してスケジュール制御や熱負荷の状況から設定温度の見直しをすることによりCO2削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前45.6t-CO2/年 ⇒ 更新後43.0t-CO2/年 削減率5.7%

設備導入施設
施設名 香南市消防庁舎【庁舎関係】
施設写真

主な導入設備等

照明【照明】

LED照明の更新に当たり207台の内34台を昼光制御照明とし昼間の照明エネルギーの削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前19.7t-CO2/年 ⇒ 更新後11.5t-CO2/年 削減率41.6%

LED照明

LED照明

LED照明

BEMS【EMS】

消防庁舎内のパッケージエアコン、ルームエアコンに対してスケジュール管理、設定温度制限を行い、CO2削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前14.0t-CO2/年 ⇒ 更新後13.1t-CO2/年 削減率6.4%

EMSコントロールモニタ

電力計測器

CT取り付け状況

設備導入施設
施設名 香我美総合保健福祉センター【福祉関係】
施設写真

主な導入設備等

空調更新【空調】

ビル用マルチエアコンの更新にあたり負荷の見直しを行い、ダウンサイジングを実施。更に高効率な機種を選定することにより大きなCO2削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前26.3t-CO2/年 ⇒ 更新後20.3t-CO2/年 削減率22.8%

パッケージエアコン室内機

パッケージエアコン室内機

照明のLED化【照明】

照明の更新にあたり点灯時間、照度などを検討し既存282台に対して更新台数を246台としLED照明を配置し省エネを図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前13.2t-CO2/年 ⇒ 更新後7.2t-CO2/年 削減率45.5%

LED照明

LED照明

LED照明

BEMS【EMS】

ビル用マルチエアコンを集中リモコンにて運転をしていたが、きめ細やかな運転・停止、温度設定などができずエネルギーの無駄が発生していた。今回、BEMSスケジュール管理、設定温度制限を行い、エネルギーの無駄を排除しCO2削減を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前21.9t-CO2/年 ⇒ 更新後20.4t-CO2/年 削減率6.8%

電力計測器

CT取り付け状況