庁舎等省エネルギー推進事業(宮崎県都城市)

宮崎県都城市

事業実施年度 H29(2017) 
担当窓口

総務部管財課

事業名 庁舎等省エネルギー推進事業(H29)
事業概要

当市は計画期間中(2017~2021年度の5年間)の削減目標を、2030年度の45%削減の達成をさらに確実なものとするため、「エネルギー起源CO2排出量を前年度比1.5%以上削減」としている。2021年までの5年間で2,053t-CO2を削減する目標である。この目標を達成するため、本事業においては、市庁舎本館・南別館を含む4施設で、空調や照明の設備更新による高効率化、EMSの導入等により331.2t-CO2の削減を行う。

設備導入施設:庁舎ほか3施設
年間CO2削減効果(見込み):
331.2t-CO2(内、運用改善10.4t-CO2
総事業費:223百万円
補助金額:106百万円
完成年月:平成30年2月
(事業期間 平成29年9月~平成30年2月)

都城市役所

事業の先進性・モデル性 これまでは、機器の故障や老朽化を契機とした、市独自の設備更新の計画を立てていたが、民間(㈱九南、パナソニック)また省エネルギーセンターの省エネ化ノウハウを取り入れ、更新計画を立てる。具体的には、管理対象の1,048施設全ての使用エネルギーの把握を行い、設備更新計画を検討していく。
 本取組みにおいては、全国的に事例の少ない「都城モデル」として、全4施設への空調・照明等の高効率機器への更新を行うと共に、市が管理する全1,048箇所のエネルギーデータが管理できるようにする。この取組みでは、本来業務である行政サービスには必ずしも必要としない電力を徹底的に見直し、削減することで、省エネ、省CO2化を推進する。その手法として、ベースカット手法を実践する。
【内容】照明・変圧器のダウンサイジング、ポンプの小型分散化による運転の最適化、タスクアンビエントの導入、空調室外機の間欠運転の実施等。
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況

年度初めに各課は目標設定を行い、毎月各課は、管財課へ報告する。また、年2回所管部長にも報告する。
環境政策課は年間を取りまとめて、市長、都城市環境保全審議会並びに庁議に報告する。

カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績

○運用技術支援内容等について、省エネルギーセンター等に講師要請を行ない、省エネルギー手法の紹介等の市民向けセミナーを開催する。
○周辺自治体に対し、導入事例と題して、今回の省エネ内容を紹介する省エネ普及セミナーを開催する。
○環境森林部で平成7年から行っている「環境まつり」に新たなブースを設け、省エネルギーのアイデア、市の取組事例等を紹介する。周辺自治体への省エネルギーの普及促進のため、周辺自治体へ案内し、民間事業者、地方公共団体等幅広く省エネルギーに対する周知活動を行っていく。
○市のホームページに省エネルギーのアイコンを作成し、市の取組みを公開するとともに、省エネルギーのアイデアに繋がるサイトへのリンクを行うことで、広く省エネルギーの普及促進を図る。
○本庁のロビーに設置しているデジタルサイネージに、毎月のCO2削減効果を表示させ、身近なLED導入の効果等について特化した説明をすることで、国の目指す高効率照明導入率達成に寄与する。

設備導入施設
施設名 本庁舎・南別館【庁舎関係】
施設写真

主な導入設備等

LED照明への更新【照明】

稼働時間の長い執務室エリアを中心に高効率LED(L2-tech水準表同等の190.2lm/w)に更新する。

また、照度測定を行い、明るい箇所を適正照度での運転を行う。更に執務室の窓際2列は調光タイプとし、昼間の照度を抑えることで省エネを図る。さらに、東館2階の執務室を検証エリアと位置づけ、すべて調光タイプの器具とし、EMSと連動させ最適な照度の検証を行い、更なる省エネを図るとともに、他のフロアとの省エネ効果比較検証を行い、他の施設への水平展開を見据えたデータを取得する。

・省エネ効果(計画)

 更新前138.8t-CO2/年 ⇒ 更新後62.2t-CO2/年 削減率55.2%

LED照明

LED照明

調光用明るさセンサ

モジュールチラーへの更新【熱源】

現在の蓄熱式空調システムの特徴であるエネルギーの平準化を維持しつつ、より省エネとする為、空冷式モジュールチラーを採用し導入する。既設のスクリューヒートポンプは100%運転時に最も効率が良くなるため、常に能力最大の運転を行っており、その為、中間期などの低負荷時に電力の無駄が生じていた。

今回導入する空冷式モジュールチラーは、8台構成32系統の圧縮機から構成され、40%~60%運転時に最も効率が高いという特性を持っており、その時の負荷に応じて運転する圧縮機の台数を決定し、最も効率の良い範囲になるように自律制御をする。

また、現在一次ポンプは1台構成であり、常時100%運転を行っているが、今回導入する一次ポンプは分散型の8台構成(チラー組込み型)とし、上記チラーの自律制御に合わせ、これらポンプの稼働台数も最適化するよう自動制御するようにした。

・省エネ効果(計画)

 更新前257.8t-CO2/年 ⇒ 更新後194.6t-CO2/年 削減率24.5%

モジュールチラー

熱交換器

冷温水ポンプ

パッケージエアコンの更新【空調】

現在24時間365日稼動しているサーバールームのパッケージエアコン2台を最新型へ更新し、省CO2化を実現した。

・省エネ効果(計画)

 更新前21.7t-CO2/年 ⇒ 更新後20.4t-CO2/年 削減率6.0%

パッケージエアコン

パッケージエアコン

変圧器の高効率化【その他】

現在電灯・コンセントで使用している変圧器は200kVA・150kVA・100kVA 各1台の構成となっているが、上記取り組みによる省電力化に伴い、100kVAに接続されていた負荷を全て150kVAの変圧器に集約することが可能になる(よって100kVAの変圧器は撤去)。さらに、この150kVAの変圧器をトップランナー機器に改修することにより、さらなる省エネを図った。

・省エネ効果(計画)

 更新前4.84t-CO2/年 ⇒ 更新後1.93t-CO2/年 削減率60.1%

EMSの導入【EMS】

①照明制御・・・東館2階の執務室および、その他の執務室の窓際2列の調光機能付照明対スケジュール制御を実施。

②空調制御・・・庁舎内エアハンドリングユニットに対し、スケジュール制御を行うと共に間欠運転制御を実施。

・省エネ効果(計画)

 更新前4.2t-CO2/年 ⇒ 更新後0t-CO2/年

電力計測器

CT設置状況

設備導入施設
施設名 健康増進施設青井岳荘【観光関係】
施設写真

主な導入設備等

パッケージエアコンの更新【空調】

現在運用している集中熱源タイプの空調(氷蓄熱ビル用マルチ)を、使用状況に応じた部分負荷運転が可能な空調(高効率ビル用マルチ)に更新し、省CO2化を図った。

・省エネ効果(計画)

 更新前109.8t-CO2/年 ⇒ 更新後76t-CO2/年 削減率30.8%

パッケージエアコン室外機

パッケージエアコン室外機

パッケージエアコン室内機

照明【照明】

本施設の照明は、照度測定を行った結果、JIS照度基準より明るかったため、今回適正照度に改善し、器具の適正化(ダウンサイジング化)を行い、省CO2化を図る。また、執務室には、高効率LED(L2-tech水準表同等の190.2lm/w)に更新する。

・省エネ効果(計画)

 更新前112.7t-CO2/年 ⇒ 更新後26.9t-CO2/年 削減率76.1%

LED照明

LED照明

LED照明

EMSの導入【EMS】

①照明制御・・・ホール、エントランス等の照明に対し、間引き点灯等のスケジュール制御を行う。

②空調制御・・・ビル用マルチの集中リモコンに対し、スケジュール制御を行うと共に、間欠運転を行う。

・省エネ効果(計画)

 更新前4.0t-CO2/年 ⇒ 更新後0t-CO2/年

EMS収納状況

盤内、CT設置状況

設備導入施設
施設名 消防局庁舎【庁舎関係】
施設写真

主な導入設備等

LED照明への更新【照明】

市庁舎同様、稼働時間の長い執務室エリアを中心に高効率LED(L2-tech水準表同等の190.2lm/w)に更新し、適正照度での運転を行うこととした。

また、本施設の本部事務所(2階エリア)の調光対象エリアとし、更に特定箇所に手元間接照明を活用したタスクアンビエント方式を導入し、省CO2化を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前35.4t-CO2/年 ⇒ 更新後12.7t-CO2/年 削減率64.1%

LED照明

LED照明

LED照明

給湯機器【熱源】

既設のA重油を使用しているボイラ方式の機器を、エコキュート方式に更新(燃料転換)することで、省CO2化を図った。

・省エネ効果(計画)

 更新前26.2t-CO2/年 ⇒ 更新後13.4t-CO2/年 削減率48.9%

給湯機

EMS【EMS】

①照明制御・・・調光機能付照明に対し、スケジュール制御を行う。

②空調制御・・・既設のパッケージエアコンに対し、スケジュール制御を行うと共に間欠運転を行う。

・省エネ効果(計画)

 更新前3.5t-CO2/年 ⇒ 更新後0t-CO2/年

電力計測器

電力計測器

設備導入施設
施設名 高崎総合支所【庁舎関係】
施設写真

主な導入設備等

空調【空調】

本支所は、現在、集中熱源方式で全館空調しており、個別空調への転換を計画している。今回は、個別空調の効果を検証するために、庁舎内の2階会議室のパッケージエアコンを更新し、省CO2化を図る。(効果検証の結果を踏まえ、全館個別空調化、また、他支所への水平展開モデルとしていく)

・省エネ効果(計画)

 更新前0.63t-CO2/年 ⇒ 更新後0.44t-CO2/年 削減率30.2%

パッケージエアコン室内機

リモコン

LED照明への更新【照明】

市庁舎同様、稼働時間の長い執務室エリアを中心に高効率(L2-tech水準表同等の190.2lm/w)LEDに更新、適正照度での運転を行う。この施設にも調光タイプの器具を導入し、昼間の照度を適正化し、省CO2化を図る。

なお、調光タイプの器具を導入する部屋は地域振興課・産業建設課とし、他執務室との比較検証を行う。

・省エネ効果(計画)

 更新前14.5t-CO2/年 ⇒ 更新後5.1t-CO2/年 削減率64.8%

LED照明

LED照明

LED照明

EMS【EMS】

①照明制御・・・調光機能付照明に対し、スケジュール制御を行う。

②空調制御・・・更新するパッケージエアコンに加え、既設のパッケージエアコンの双方にスケジュール制御を行い、間欠運転を行う。

・省エネ効果(計画)

 更新前0.45t-CO2/年 ⇒ 更新後0t-CO2/年

電力計測器

電力計測器