長野県看護大学におけるESCO事業を活用した省CO2事業(長野県)

長野県

事業実施年度 H30(2018) 
担当窓口

健康福祉部医療推進課看護係

事業名 長野県看護大学におけるESCO事業を活用した省CO2事業(H29-H30)
事業概要

LED照明の導入等により、エネルギー起源CO2の削減に大きく寄与する。また、本事業により長野県全体のエネルギー対策推進に貢献する。
事業対象の長野県看護大学は、長野県の温室効果ガス削減のための「第5次長野県職員率先実行計画」にてESCO事業の検討を明記しており、本事業はその計画を実行するものである。
また本事業は長野県で初めての自己資金型ESCO事業であり、そのノウハウを用いて、今後は県内中小規模施設の設備改修にも導入できる自己資金型ESCOのモデル化を図る。

設備導入施設:長野県看護大学
年間CO2削減効果(見込み):
237.2t-CO2(内、運用改善3.1t-CO2
総事業費:205百万円
補助金額:56百万円
完成年月:平成31年1月
(事業期間 平成29年11月~平成31年1月)

長野県庁

事業の先進性・モデル性 ・熱源システムのハイブリット化
既存の灯油焚冷温水発生機60RT×4台を空冷ヒートポンプチラー85RT×1台と灯油焚冷温水発生機60RT×2台のハイブリッド熱源システムに更新する。高COP機器である空冷ヒートポンプチラーの導入と熱源容量のダウンサイジングにより省CO2効果が期待できる。また、空冷ヒートポンプチラーは、2モジュール構成とすることで、故障時のリスク回避とする。
・熱源機限界能力制御の導入
熱源機限界能力台数制御を導入し、高効率な空冷ヒートポンプチラーの性能を最大限引き出す計画である。熱源機限界能力台数制御とは外気条件や負荷率により製造可能熱量が変動する空冷ヒートポンプチラーの特性を活用し、台数制御増段点をBEMSから自動変更することにより空冷ヒートポンプチラーの能力を最大限引き出し、灯油焚冷温水発生機の不要な増段を抑制して、省CO2を図る制御である。特に長野県は夏季でも外気温度が比較的低いため、その効果が期待できる。
・センサーを活用したLED制御システムの構築
人感センサー、照度センサーを活用したシステム構築を行う。照明設備のLED化は幅広く行われているが、センサー類の活用による更なるエネルギー消費量低減とその効果検証の実施は、LEDが普及しきった後の照明エネルギー低減施策につながるものである。
・クラウドBEMSを導入し、面的な管理を行う
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況

本ESCO事業にて導入されるクラウドBEMSを活用したエネルギー管理体制や省エネルギーの取組内容は、長野県独自の環境マネジメントシステム『エコマネジメント長野』において全庁的に共有し、PDCAを回す。またESCO事業者と報告会を開催し、ESCO事業者にて分析したエネルギー使用状況を共有し、施設運用の改善を図る。事業期間満了後も施設管理者にてESCO契約期間に得たノウハウを活かし、更なる運用改善に向けて取り組む。

カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績

自己資金型ESCOのモデル化と水平展開に向け、「長野県ESCO事業導入促進研究会」を設置し、検討を進めている。同時に、エネルギー消費量の多い病院にも広く展開していくため、県が事務局を務めている温暖化対策に取り組む温暖化対策病院協議会の研修会等でも取り上げ、構成病院のESCO事業導入を促進する。

設備導入施設
施設名 長野県看護大学【教育関係】
施設写真

主な導入設備等

LED照明の導入【空調】

消費電力が大きい従来型の蛍光灯器具、ダウンライトを、省エネタイプのLED器具へ更新することにより電力量及び契約電力の削減を行う。さらに照明器具の長寿命化によるランプ交換費用の大幅な低減も期待できる。

また、人感センサー、照度センサーを活用したシステム構築を行う。

・省エネ効果(計画)

 更新前88.1t-CO2/年 ⇒ 更新後25.6t-CO2/年 削減率70.9%

LED照明

LED照明

LED照明

濾過ポンプ変流量制御【熱源】

現在、定格運転を行っている濾過ポンプにINVを導入することにより省CO2を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前47.9t-CO2/年 ⇒ 更新後24.0t-CO2/年 削減率49.9%

動力盤

インバータ設置状況