高知県安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合
事業実施年度 | H30(2018) |
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担当窓口 |
事務局長 |
事業名 | カーボン・マネジメント強化設備更新工事等業務委託(H30) |
事業概要 |
空調設備・照明設備を高効率な機器に更新し、給湯システムの改良を行った。
設備導入施設:特別養護老人ホーム愛光園
年間CO2削減効果(見込み): 120.8t-CO2(内、運用改善6.2t-CO2) 総事業費:148百万円 補助金額:71百万円 完成年月:平成31年1月 (事業期間 平成30年10月~平成31年1月) |
事業の先進性・モデル性 | この更新計画は、民間企業のノウハウを活用し、実施後の効果検証を含めているため、効果的で効率的であるといえる。さらに測定したデータを民間企業にも公開・連携することで、設定変更や調整を常用的に行えるシステムとした。 またエネルギー管理業務の一部を一定期間、民間企業と連携し、効果検証などを行い、同業種・同様施設のネットワークに民間企業のネットワークを加えることで、データの充実や多方面からの検討、アドバイスなど幅広く確実な省エネ活動を図っていく。 空調機器は、能力・風量・風向・形状など設置場所や利用状況に合わせた機器を選定し、個別化を行うことで各所でのこまかな設定や運転制御を行う。一部の空調機は湿度制御機能を付加し、湿度管理による設定温度の調整など快適性を維持した省エネ運転を行う予定である。 照明器具については、使用状況や照度に合わせたLED型照明器具の選定をした。階段部分には人感センサーを導入し点滅制御を行い、通路や事務室など外光を利用できる部分は、昼光センサーを導入し調光制御を行っていく。 給湯システムは、ヒートポンプ加熱給湯器を導入し、既設給湯ボイラと組み合わせることにより、システム効率向上を図る。(ボイラ燃料とヒートポンプ電力のエネルギーミックスによる最適運転を行う。) BEMSを導入し電力や燃料のエネルギー使用量を詳細に計測すると伴に、気温や湿度も計測し、空調機のスケジュール運転や能力制御運転など使用状況や気候変動に合わせた細かな設定調整を行う。そしてデータは民間企業へ連携し、エネルギーロスの発見や改善などさらなる省エネ活動へ展開していく。 |
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況 | |
地球温暖化対策実行計画の推進に伴い、組合長を「統括責任者」とし、施設長を事務局長とし「事務局」を基軸組織においた。この組織では、実務的な運営や啓発活動を行うと伴に、従業員や職員からの改善提案及び意見をとりまとめ、また統括責任者へも定期的に報告し、指示や指導を仰ぐことで更なる改善に務める。統括責任者については、各方面との情報連携や普及活動を行っていく予定である。事務局は、民間企業と連携し、収集したデータを基にエネルギーの使用状況や、導入効果の検証・省エネアドバイス・設定調整を定期的に行っていく。 |
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カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績 | |
BEMSによる効果検証及び調整やメンテナンスを含んだ更新事業であり、民間企業と情報連携を行いながら確実にCO2排出量を削減する計画で、県内の特別養護老人ホーム組合では初めてのスキームである。この事業の状況や得たノウハウについては、ホームページで公開し、また役場を通じて各自治体のホームページでもモデル事業として紹介する。 |
H30年度
設備導入施設 | |
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施設名 | 特別養護老人ホーム愛光園【福祉関係】 |
施設写真 |
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主な導入設備等 |
照明設備更新工事【照明】 点灯時間の長いエリアや消費電力の大きい水銀灯をLED型照明器具やLEDランプへ更新することで電力消費量の削減を図る。施設の使用状況や必要照度の実態を調査・検討し、必要な明るさに合わせた照明器具の選定や、昼間の光が利用できる場所では、昼光センサーを利用した調光制御、階段室では人感センサーを導入することで、必要な明るさを維持しながら消費電力の抑制を図った。 空調設備更新工事【空調】 各所でこまめな設定や調整を行うことができるよう、個別化を図ると伴に、必要能力や適正な形状の再検討・再計算を行い、最適な高効率機器を選定した。また、一部の空調機には湿度調整機能を付加し、空調負荷の軽減、設定温度の調整を行うことで、冷暖房時に湿度をコントロールでき、利用者の快適性を維持したまま、冷房時の設定温度を高めに、暖房時は低めに設定することが可能になった。 循環加温ヒートポンプの導入【熱源】 循環配管からの放熱など給湯負荷が無い場合でも温度低下があり、貯湯槽の温度を維持するようボイラが稼働している。循環配管に高効率ヒートポンプ昇温機器を導入することで、貯槽槽の温度低下を抑制し、ボイラの稼働を軽減させる。ボイラ燃料とヒートポンプ昇温器電力のエネルギーミックスの最適化を図ったことで、高効率な給湯システムを構築した。 BEMSの導入【EMS】 施設で使用しているエネルギー使用状況の把握を行うとともに、スケジュール運転や設定温度の制限制御(設定温度の上下限設定)を行い、またエネルギーの他にも気温や湿度を測定し、気候変動にこまめに対応し、最適な運転を設定することで施設利用者や従業員の負担を軽減する。蓄積されたデータは容易にグラフ化など見える化ができ、使用状況をフィードバックすることで長期的に安定した省エネ・省CO2対策が図れるシステムを構築した。 |