・麻生区役所ESCO事業・川崎市麻生スポーツセンターESCO事業・川崎市産業振興会館ESCO事業(神奈川県川崎市)

神奈川県川崎市

事業実施年度 H31(2019) 
担当窓口

財政局資産管理部資産運用課

事業名 ・麻生区役所ESCO事業・川崎市麻生スポーツセンターESCO事業・川崎市産業振興会館ESCO事業(H29-H31)
事業概要

本格的な少子高齢社会の到来等に伴い社会経済状況が大きく変化する中、公共施設の効率的かつ効果的な維持管理や、あり方の検討が必要な状況の中で、アセットマネジメントの観点から公共施設の集約化・再配置、効率的な維持管理を進めている。こうした中、公共施設の各種情報の一元管理を行い、公共施設等総合管理計画統括部署が施設を選定し、ESCO事業者の提案により、最適な設備と運用改善手法の導入を図ることで、施設のライフサイクルコスト削減および地球温暖化対策を図り、継続的に取り組む事業である。

設備導入施設:麻生区役所、川崎市麻生スポーツセンター、川崎市産業振興会館
年間CO2削減効果(見込み):
478.7t-CO2(内、運用改善37.9t-CO2
総事業費:1,048百万円
補助金額:227百万円
完成年月:令和2年2月
(事業期間 平成29年8月~令和2年2月)
※記載されている数値は、複数年の計画値となります。

川崎市役所第3庁舎

事業の先進性・モデル性 本取組では、冷温水発生機の制御出力により、INV変流量制御し、2次側負荷に見合った制御を行うことによる省エネ化や、部分負荷COPの高い熱源機へ更新、空調機で還気CO2を計測し、自動でINVによる適正な変風量を行うことなどにより空調機への加熱・冷却負荷の低減を図る。照明設備については、LED照明を導入、避難口誘導灯を高輝度タイプにすることで、消費電力量の削減を図る。
また、設備導入後についてもESCO事業による運用改善を行い、施設管理者のみならず施設に働く者全員が一丸となってCO2排出量の削減に取り組んでいく。これは、見える化やエネルギーマネジメント機器から得られるデータを徹底活用して、装置や設備のエネルギー使用量の最適化を図るに当り、運用・運転の側面からアプローチするもので、その成果に期待ができる。
カーボン・マネジメント体制の整備計画に基づく実施状況

川崎市温暖化対策推進本部をはじめ、4つの部会を設置し、CO2削減に向けた取組を進めている。また川崎市地球温暖化対策推進基本計画を策定し、川崎市環境審議会に報告を行うとともに、その意見を反映させることで、PDCAサイクルを基本とした適切な進行管理を行っている。
ESCO事業については公共施設等総合管理計画策定部署が中心となって取組んでおり、川崎市資産改革検討懇談会にて意見交換を行い、川崎版PRE戦略推進委員会に諮りながら推進している。事業実施後は、毎年のエネルギー使用量等を財政局資産運用課で集約し、また環境局にて管理しているエコオフィスシステムにて、市の公共施設全体での効果も把握できる体制となっている。

カーボン・マネジメントに係るノウハウの普及方針に基づく普及実績

アセットマネジメントの取組では、「資産経営・公民連携首長会議」や、「政令指定都市公共施設等総合管理主管者会議」で課題を発信し、情報交換を行っている。
ESCO事業については、積極的に取組を発信し、他都市からの照会回答や視察受入、本事業の取組の普及拡大を行っている。
地球温暖化対策推進の取組では、川崎市温暖化対策推進本部や4つの部会を通じて情報発信を行い、引き続きESCO事業が実施されるよう取組を推進していく。

設備導入施設
施設名 川崎市産業振興会館【文化関係】
施設写真

主な導入設備等

空調熱源の更新【熱源】

省エネ先進性・モデル性を有する大温度差仕様のエアハンドリングユニット(AHU)、ファンコイルユニットを導入することで、冷温水の流量を減らしポンプの搬送動力低減を図る。さらに、AHUにインバーターとセンサーを設置し、室温制御およびCO2濃度制御によりAHU運転の効率化を図る。

・省エネ効果(計画)

 更新前774.3t-CO2/年 ⇒ 更新後636.5t-CO2/年 削減率17.8%

モジュールチラー

エアハンドリングユニット

エアハンドリングユニット

パッケージエアコンの更新【空調】

老朽化により効率の低下している設備について、熱源機は部分負荷COPの高いEHPチラーに更新する。

・省エネ効果(計画)

 更新前20.7t-CO2/年 ⇒ 更新後13.7t-CO2/年 削減率33.7%

空調室内機

空調室外機

空調室内機

電気温水器への更新【その他】

蒸気ボイラーを使用していたが、空調加湿は気化式に変更し、給湯は電気温水器を採用することにより省エネを図る。 (シャワーは使用していないのでとりやめ、混合水洗のみ)

・省エネ効果(計画)

 更新前3.5t-CO2/年 ⇒ 更新後0.4t-CO2/年 削減率87.8%

電気温水器

電気温水器

照明設備の高効率化【照明】

照明設備については、LED照明を導入、避難口誘導灯を高輝度タイプにすることで、消費電力量の削減を図った。また照明スイッチに点灯範囲を明記し必要範囲の点灯に注意し省エネを図った。

・省エネ効果(計画)

 更新前125.3t-CO2/年 ⇒ 更新後53.9t-CO2/年 削減率57.0%

LED照明

LED照明

LED照明

低損失変圧器の採用【その他】

既設変圧器は導入後、30年程度経過し、効率が低下していたため損失の少ない高効率変圧器を導入し、電力使用量の低減を図った。

・省エネ効果(計画)

 更新前19.6t-CO2/年 ⇒ 更新後7.8t-CO2/年 削減率60.1%

低損失変圧器

低損失変圧器